明太子ができるまで

「今日もおいしくなっている」。

そう思いながら明太子づくりに励んでいるから
作っている私たちも幸せです。

たらこに、だしに、味付けにこだわる福ふくのだし仕込み明太子。同じくらい、製造の過程にもこだわりがあります。だからこそ、いくら食べても食べ飽きない福ふくならではのおいしさが生まれるのです。

原料となる塩たらこは獲れたてが船上で塩漬けにされ冷凍されたもの。ゆっくり解凍することで、その鮮度を保ったまま、卵のしっかりとした状態を守ることができます。

鮮度はもちろん、形、ハリ、時期(産卵期)、透明度など見て、触れて選別。だしの入りやすいたらこもこの時にわかります。

たらこが切れておらず、粒子がはっきりし、色、形がよい一本ものの真子。
色、形はよいが切れている。Aランクの切れ子。
粒子感がなく、濁った色で、皮がぶよぶよしており形も悪い。ガム子、未成熟卵。

たらこの表面に竹串で丁寧に穴を開けます。これによりたらこは塩が抜けやすく、だしが浸透しやすい状態になります。

福ふくの明太子づくりに欠かせない工程。余分な塩分を抜き、代わりに昆布だしの旨味を入れ込みます。

ザルに上げて冷凍庫で1日かけて水分を切ります。これにより昆布だしの旨みのみを吸収したたらこは芯までふっくらと整い、特製たれが浸透しやすい状態になります。

小石原焼の壺一壺に塩たらこ約2kg、唐辛子、特製たれ、水、刻み昆布、あたただし入れて冷蔵庫へ(保存料・着色料・化学調味料は不使用)。いよいよ熟成開始。たらこの一粒一粒にたっぷりのだしがじっくり浸透しておいしくなっていきます。

職人たちが1日1回冷蔵庫から壺を取り出し、ていねいに愛情こめながら手でたらこの上下を返すこと3日間。味をまんべんなくなじませます。

漬け込みが完了したらザルにあげ、1日かけてたれを切ります。たらこは一腹ずつ漬かり具合を見極め、多少水っぽいようなものはたれを切る日数を増やして、いちばんおいしい状態に仕上げます。